|
|
|
|
ウニオーネ誌 Web版 No.92
2024年5月20日 発行 目次
|
|
|
巻頭言
いってまいります!
ウニオーネ明星支部デレガータ
Sr.河野 環 
サローネ・ステッラからの便り
同窓生の皆さま、お元気ですか。今、朝日に照らされて、同窓生の皆さまが植樹なさった記念樹の桜が輝いています。
この機会に、明星学園の歴史を少しだけお話ししたいと思います。明星学園は、先の戦争のとき親を亡くした子どもたちの救済のために創設された「小百合愛児園」から始まりました。小百合の子どもたち、また、一般の家庭の子どもたちの教育の為に明星学園が創設され、1954年の高等学校の認可をもって、幼小中高がそろった明星学園となったのです。ソラリ・カルメラ院長様が初代の校長でした。
そして皆さまもご存知の通り、中学校53年間、高等学校47年間という年月を経て、2001年に、中学校卒業生970名、高等学校卒業生5,671名を聖母マリア様のみ手に委ねて、明星学園は幕を閉じました。
それ以来、吉田美砂子会長と役員の皆さまで、たとえ卒業生を迎え入れることは出来なくても、力を合わせて同窓生のために働こうと励んで参りました。役員の交替はありましたが、23年間、同窓会を盛り上げてくることができましたことは素晴らしいことでした。
今後の同窓会の在り方に関して、意見を出し合った結果「従来の組織的な同窓会は止めて、修道院にある同窓会室を活用し、同窓生が自由に訪れることが出来るサローネ・ステッラ(同窓生の居場所)としていくこと」にいたしました。修道院には、同窓生担当のデレガータの私(Sr.河野環)も常住していますので気軽に立ち寄ってください。
サレジアンシスターズ別府修道院は交通の便のよい所にありますので、今でも、卒業生が立ち寄って一緒にお茶をしながら話して行かれたり、聖堂で祈って行かれたりしています。
ある時は「シスターお祈りをしたいのですが主の祈りを忘れてしまって困っています。教えてください」と電話がかかってくることもあります。
申し合わせて5、6人のグループで訪れて来ることもあります。昨年末には、東京、横浜、大分、別府からの同窓生がグループでやって来て、楽しく、有意義な一時を過ごしました。
彼女たちは、かつて私が生徒会を担当していた時の生徒たちで、宗教の時間にアフリカ大陸の飢餓の問題を取り上げ、この問題解決のために私たちでできることはないか考え、生徒会が全校生徒に意見を出してもらい「ひとにぎり運動」を取り上げ、実行したことを懐かしく思い起こしました。
あの頃は、私も若かったので「ひとにぎり運動」のその晩には、寝る頃はお腹がすいてたまらなかったことを思い出して話すと、皆も「そう、そう」と言いながら大笑いをし、楽しい一時を過ごしました。帰りの際には「いってまいリます」と元気に去っていきました。
お話ししたい出会いはたくさんありますが、同窓生の集う「サローネ・ステッラ」からの分かち合いはこの辺で!
同窓生の皆さま、「地の塩.世の光」として、自分らしく喜んで生きてまいりましょう!
|
たった一つの「ただ」のもの
イタリア本部UNIONE誌編集者 マッシミリアーノ・カヴァッロ
-
「喜びは『宣教的』なものです。喜びは一人だけのためにあるのではなく、誰かに伝えるべきものなのです。皆さんに質問です。ここで互いに出会った皆さんがキリストのメッセージを知り、人生の美しい意味を見つけたとしたら、それを自分一人だけのために取っておきますか、それともほかの誰かにも手渡してあげるでしょうか。」
これはワールド・ユース・デーの閉幕前夜祭のため、リスボンのテジョ公園に集まった150万人の若者たちにフランシスコ教皇が語られた言葉です。皆を使命と責任、前進へと招いておっしゃいました。「歩みを進め、倒れてもまた立ち上がりなさい。ゴールを目指して進みなさい。生活の中で日々鍛錬しなさい。人生の中で『ただ』のものはなく、すべてに対価を払います。たった一つ無償のものはイエスの愛だけなのです。」
世界中からたくさんの若者とその家族、共同体が参加した「ワールド・ユース・デー」という素晴らしい体験をした夏が終わって、私たちは学校、仕事、社会の中で新しい年度を始めようとしています。フランシスコ教皇の「前進しなさい、苦労しなさい、鍛錬しなさい、立ち上がりなさい」という言葉に背中を押されて新しいことを始める年です。仕事、家族、時間の使い方、交わり方、必需品、ライフスタイル、価値観など、社会の中で変わってしまったこと、変わりつつある事柄に立ち向かうための新たな始まりの時です。
この流動的で複雑な状況下では、若者たちや人生からの問いかけがますます多面的になっています。私たちはフランシスコ教皇の言葉と、「誠実な社会人・よきキリスト者」というサレジオ精神を忘れないようにしましょう。これは普通の言葉に言い換えれば、「私たちはどんな所に住んでいても、よい社会性という能力を示すことができる」ということです。そして天の助言を聞くために耳を傾けましょう。愛と慈しみを伝えるために口を開き、隣人のために心を開きましょう。そして、天からの賜物を受け取り、それを身近な人たちと分け合うために両手を広げてください。
信じるものを自分の中だけに閉じ込めておかないで、オープンにしましょう。フランシスコ教皇の招きに応えて「喜びの宣教者」になるために。
|
サレジオ家族のページ
マンマ・マルゲリータのバスケット
2023年11月の総長メッセージより
私たちは皆心の中に思い出のバスケットを持っています。その中にはこれまで経験したこと、例えば喜びに満ちた思い出もあれば、思いがけない不幸な出来事もあるでしょう。
皆さんはドン・ボスコのお母さんであるマンマ・マルゲリータの絵をご覧になったことがあるでしょう。彼女のシンボルマークと言えば腕にかけた、柳の枝で編まれたバスケットです。そして頭を覆うスカーフも貧しい農婦の服装も、それがなかったら彼女だとは気が付きません。マンマがドン・ボスコを手助けするために、故郷のベッキからトリノへ来た時、そのバスケットの中には、中央にラベンダーの束をのせて丁寧にたたまれた嫁入り衣装が入っていました。底の方にあるのは、布に上手に隠されていた、彼女のささやかな宝物、二つの指輪の入ったベルベットの箱と金のネックレスです。
でもそれらは全てオラトリオの最初の資金となり、少年たちのシャツや下着に変わりました。花嫁衣装はまず聖堂の祭壇布になり、後にコレラ患者たちのシーツとなったのです。それでもバスケットは空になりませんでした。マンマ・マルゲリータの人生のあらゆる美しい良いものの香りでバスケットは満たされていました。
今、私のバスケットには、主に感謝すべき多くのことが入っています。全てが喜びをもたらすものだったわけではありません。悲しみ・苦労・犠牲・喪失もあります。けれど全てのことは信仰のうちに生きる時、かけがえのないものとして輝くのです。
バスケットの中をよく見れば、沢山の努力したことがあります。それは私自身の努力だけではなく、私を助けてくれた人々の努力です。
多くの子供達、若者たちに手を差し伸べることが出来たのは、世界中に広がる私の兄弟たちとサレジオ家族の何千もの事業所での努力があったからです。
友である皆さん、おわかりのように、私のバスケットはいっぱいです。皆さん一人ひとりの人生においても同様のことと確信しています。これは神さまからの贈り物です。
皆さんがサレジオ家族の一員として、この世界が憎しみと不一致から浄化され、キリスト教精神で満ち溢れたものとなるように、働き続けてくださることを願っています。私たち皆がいつも共に平和のうちに生きられますように
フェルナンデス総長 枢機卿に!
サレジオ会のアンヘル・フェルナンデス・アルティメ総長は、2023年9月30日教皇フランシスコにより、枢機卿に叙任されました。2024年8月16日まではサレジオ会の総長としてお務めくださいます。
枢機卿とは、カトリック教会における教皇の最高顧問で、教皇を直接に補佐し、教会全体に関わる職務について、教皇を助けます。また、教皇を選ぶ際の選挙権を持ちます。
同窓生から こんにちは!
宣教女として15年
同窓生の皆様、お元気でいらっしゃいますか? 同窓会誌を読ませて頂く度に星美短大で過ごした思い出深い貴重な2年間、懐かしい先生方、先輩方、級友を思い起こします。
嬉しいクリスマスプレゼント:担任の先生と ⇨
私は現在、恵み深い神様のお導きにより、幼いころからの夢であった宣教女として2009年からモンゴルで生活しています。モンゴル国は1992年に民主化され、宗教の自由が法律の中で謳われていますが、実際には宗教法人は教育、福祉事業禁止とされています。更にカトリック教会宣教師の数も制限されており、私たちサレジアンシスターズは韓国人3人、フィリッピン人1人、そして私の5人です。当面、これ以上メンバーを増やすことはできません。私たちは沢山の夢を持っています。しかし何をするにも沢山の障害があり、なかなか思うように活動できないのが現実です。
私はいま、教区の児童、青少年センターに勤めています。昨年までは小学校を経営していましたが識別の結果、学童に変更し来年度からは青少年センターも始める予定です。
この地域の人々は宗教に対して嫌悪感を持っています(仏教は除く)。この事業は以前シャルトルの聖パウロ修道女会のものでした。見捨てられた貧しい子ども達、青少年の為に15年以上援助してきたにも関わらず、人々はそれに無関心で援助を受けた人々もその場で感謝するだけです。初めて私を見る人々の目も鋭いものでした。
⇦ 恩人から頂いた「カエル」のカチューシャ
私はこの地に神様の愛を伝えるために派遣された者として「神の国」という大きなパンを人々が見、匂い、味わい、満たされる為の小さなパン種としてどの様に生きるべきかを、祈りと日々の生活の中で模索しています。毎朝子ども達を笑顔で迎え、子どもたちの話に心から耳を傾け、しっかりと抱きしめて一人一人が大切であることを示すこと。職員が家族であると感じることができるように配慮し、彼らの問題に耳を傾けアドバイスをすること。
私は小さなことしかできません。その自分にできることを喜びのうちに精一杯行い、後のことは神様のみ手に全て委ねる。それが今、小さな私にできることです。私たち一人一人にとって最善は何かをご存知であり、確かな拠り所であられる神様を知っているのは、なんと幸せでしょう! 神様に信頼しつつ、小さなことを大切にして生きることの積み重ねが大きな幸福を生み出すのだと信じています。
伝統衣装の「デール」を着て新年のご挨拶:ジョルジョ枢機卿を囲むお祝いの席 ⇨
皆様そして皆様のご家族を、神様がいつも祝福し、マリア様のご保護のもとに一日いちにちを大切に過ごされますよう、モンゴルより毎日お祈りをお捧げ致します。
ウニオーネ日本管区本部 2024年度総会報告
2024年4月7日
総会ミサ説教より
サレジオ会 Fr.北川 大介
-
総会に先立つミサでは、司式の北川神父の、「見なければ信じない」と言ったトマスの前に現れたイエスは、トマスを「招きに応えた人」と捉え、更に、復活したイエスが永遠に一緒にいるのだということをわからせた、というお説教をお聞きしました。何でも数値化、言語化、明文化、エビデンスが求められるこの頃、感慨深いお話でした。
管区長 Sr.宮脇,サレジオ家族担当 Sr.川下ご挨拶
宮脇道子管区長の今年度のストレンナの解説では、2024年はドン・ボスコの人生を決めた「9歳の夢」から二百年目であり、後年、この夢がすべての事業の発端となったと悟り、げんこつではなく柔和と愛で少年を導くことがサレジアンの基本となったとあらためてふりかえる機会をいただきました。(より詳しい解説はサレジオ修道会のホームページをご参照ください。)そして、ウニオーネ日本管区からの献金を例年通りお受け取りいただき、ローマ本部を通して援助を必要とする地域に使っていただけるとのお言葉を頂戴いたしました。
今年度から脇村ユキヱシスターに替わりサレジオ家族担当になられた川下和子シスターは、同窓生とシスターのかかわりを見て素晴らしさを感じている。同窓会は施設、学校で学んだことを深める素晴らしい機会であり、場であると、ご感想を述べられました。
総会風景
議事も滞りなく進み、今年度は、オンライン参加の中継状態を気にかけることなくその場での空気を肌で感じ、共有し、活発な意見交換がありました。議事内容の詳細や検討事項等は、各支部でわかちあっていただければ幸いです。
ご 報 告
-
この秋に本部企画の「一日研修会」開催を予定しています。第一回目の参加は、支部代表者と本部役員を対象とします。日時・会場共に調整中ですので、決定次第ご連絡いたします。
-
星美学園短期大学は来年度より募集を停止することになりました。3年後には新規卒業生がいなくなります。
-
赤羽では、サレジアン国際学園の生徒増により校舎増築の必要と修道院本館の老朽化により、本館取り壊し工事が始まります。
-
修道院本館工事に伴い、シスター方も各支部修道院に分散異動され、ウニオーネ本部はしばらくの間専用室 がなくなります。定例会開催もウニオーネ本部宛の郵便受領もままなりませんので、連絡が必要な際はホームページ、メールをご利用ください。
-
2024年度ウニオーネ本部役員( 会長:伊佐、副会長兼会計:中山、会計:稲越、書記:高槻、顧問:宗・梅村、監査:八木、本部デレガータ:Sr.小島順子)は、計画案に従い運営してまいります。ご協力をよろしくお願い申し上げます。
2023年度 本部活動報告
-
2023年
-
4月 ウニオーネ本部総会開催:午前のみ。オンラインと対面の混合形式
-
5月 ウニオーネ誌第91号発行。同誌のWeb版作成《https://www.unionehonbu.com/》
-
6月 同窓会世界連合の年間報告会:会長とデレガータがオンライン参加
-
9月:ウニオーネ短大支部を訪問
-
10月:ローマ本部の意向に添い、本部役員によるロザリオの祈り実施
-
11月:ウニオーネ東京支部を訪問
-
2024年
-
3月:赤羽のFMA本館解体のため、ウニオーネ本部の引越し
-
以上の他、毎月の定例会、サレジオ家族主催行事に参加
2024年度 本部活動計画
-
ウニオーネ本部総会開催(4月)
-
ウニオーネ誌92号発行(5月)
-
支部・本部役員のための「一日研修会」開催(日時未定)
-
その他、サレジオ家族主催の行事(チマッティデー、サレジオ家族合同評議会、霊性セミナー等)に随時参加
-
同窓生世界連合モルネーゼとの連携
ウニオーネ支部訪問記
2023年度は、本部から二つの支部を訪問し、各支部の状況を伺いました。
東京支部訪問(2023年11月11日)
2022年度より「サレジアン国際学園中学高等学校」と改称して共学化された母校の変化に伴い、その動きに対応できるよう、教職員や在校生と、またウニオーネ各支部とのコミュニケーションを密にとっていきたい、とのことでした。
短大支部訪問(2023年9月30日)
この日短大の学園祭のさなか、同窓生による喫茶室で、役員の方々と懇談しました。短大未来図に不安はあるものの、今年度より三名もの新役員の参加で、短大の同窓会活動はより活発になったと、嬉しい報告をいただきました。
|
|
8つの支部より
ウニオーネ明星
『ホッ!』
明星小学校華道クラブで女生徒が「アッ!!こぼした!」
「先生ふいてー」と・・・机、床、水浸し・・・
「自分でふいてね」
「エッ?!わたしが拭くの?イヤダ~お花活ける気なくなった」
「お花持って帰りなさいな」
数十分のち一心に作品に取り組んでいる姿に「ホッ!」
又、ある日
男子生徒が「花完成!見て下さい」
「おお!どうしたの お花が起立しているよ」
「うん、仏様にお花あげるから切らずに持って帰ってきてねってママが言ったんだ」
ママの為にお花を切らずに完成した作品。
微笑ましく「ホッ!」
高校球児が大きなリュックを背に手にはナイロン袋と火バサミ。
路肩のゴミを拾いながら球場へ。
行き交う人が「ご苦労さん」と声をかけ、はにかみながら一礼。
その姿に「ホッ!」
暗いニュースに心痛む日々
何が出来るのか等々と思い悩むそんな時
「ホッ!」とに出会い一瞬さわやかな風に包まれるのです。
「ホッ!!」
ウニオーネ小百合ホーム
当事者座談会を実施して
職員研修の一環として、小百合ホームを卒園した男女4名に来ていただき、当時の生活に対する想いを語ってもらいました。
親と離れて暮らす寂しさ、学校行事に若い職員やシスターが来ることへの複雑な想い、集団生活の中での気遣い等、施設生活のマイナス面も当然出ましたが、就寝前の読み聞かせ、シスターとのお菓子作り、行事の思い出等、良い思い出もたくさん出てきました。
一長一短ある施設生活ですが、集団生活の中で培った社会性、料理やお菓子作りで身につけた技術等、施設生活での経験が今の生活に多く活かされていることも語ってくれたことに喜びを感じるとともに、子どもたちの将来に影響を与える、とても重要で、だからこそやりがいのある仕事であることを改めて感じました。
座談会の最後に、卒園生から職員へ次のようなメッセージをもらいました。「親と離れて暮らす寂しさにどれだけ寄り添えるか」「気持ちを素直に表現できない子たちの声を如何に汲み取っていけるか」「トライ&エラーのチャレンジ精神で臨んで欲しい」。
今回、参加してくれた卒園生の声をしっかりと受け止め、今後も子どもたちの幸せのために情熱を注いでいきます。
ウニオーネ城星
日常への感謝
97歳の独居女性のお宅に週二回の入浴支援に訪問しています。高齢ながらも家事は自分でこなされる笑顔がキュートな女性です。訪問すると、「ありがとう。来てくれたんやね」の言葉から始まり、自宅にお風呂があること、蛇口をひねればお湯が出ること、元気でお風呂に入れること、入浴支援が受けられていることなどなど全ての場面に感謝の言葉を口にされます。入浴以外にも朝が来たこと、ご飯が食べられたこと、毎日ヘルパーさんが来てくれること、無事に一日が終えられたこと…日常の全てに感謝し生活されています。激動の時代、幾多の苦難を乗り越えてきたこともよくお話して下さいますが、決して苦労話ではなく、出会いの感謝ばかりです。
平穏な生活が全て誰かのおかげで成り立っていること、日常にある小さな幸せに気付き感謝し、そしてそれを言葉にしてくださることで小さな幸せが私に移り、幸せが倍になります。私は頂いた幸せを仲間や家族に伝え、幸せは更に増え大きなものへと膨らんでいくことを実感しています。
「感謝を言葉にして伝える」
簡単なことですが、つい忘れがちなことです。心に伝わる感謝と笑顔を大切にしてこの女性のような良きパン種となれるようになりたいと思います。
ウニオーネ静岡
いつも心を磨いて
世界的な新型コロナの流行も落ち着きをみせ、5類に移行して今年は穏やかに過ごせると思った矢先に元日から襲った能登半島地震、翌日の羽田空港の事故。楽しいお正月が一転して心を痛めた方も多かったことでしょう。私たちはいつも試練と隣り合わせに生きているのだと自覚せざるを得ません。
神様は乗り越えられない試練は与えないとよく言われます。だから、私たちはいつでも神様の難題に応えられるように、心を磨いて行かなければならないと思います。
ウニオーネ世田谷
美しい緑道を 支えているのは
今回のテーマである「小さな存在でも、周囲に大きな影響を与える」という事で考えてみました。
職場への道に、四季折々の草花が所狭しと植えられ、まるで小さな植物園並の緑道があります。朝はその草花に励まされ、帰りには優しく疲れを癒やしてくれるので、緑道を歩くのが楽しみの一つとなっています。時折その写真を病床の母にも送り、花の種類について会話も弾んだりしていました。最近伺ったのですが、実は草花の手入れは業者メインではなく、全て地元のボランティアの皆様の賜物だったということで、大きな感謝と共に見事な緑道に心から感銘を受けました。朝早くからお手入れされているのをお見かけし、趣味でお手伝いされているのだと思い、ご挨拶とお礼はお伝えしていました。その時はいつも暖かく対応頂き、
母との事も大層喜んでくださいました。ごく身近で大きな事ではありませんが、良きパン種が生地を豊かにして行く様に、草花を通してボランティアの方々は緑道を往来する人や家族の心に希望や安堵の気持ちをもたらして下さると感じました。自分も良きパン種のアンテナを張り感謝をもって実行出来る様に、これからも精進していきたいと思いました。
ウニオーネ星美ホーム
よきパン種になろう
星美ホームでは、本体施設の改築はじめ施設全体の改修工事が数年続いています。今年は待望のサローネが完成し、コロナの感染拡大とサローネの改修工事に伴い、5年間実施出来なかった創立者ドン・ボスコのお祝い「アカデミア」の開催が、5年振りに復活する事になりました。
星美ホームの「アカデミア」では、ダンスや劇、歌やバンド等々、子どもと職員が一体となり個性を活かし作りあげています。5年間のブランクにより、アカデミアを知らない子ども達や職員が多くいる状況での開催には不安もありましたが、個々の「パン種」が力を発揮してくれたお陰で、素晴らしい「アカデミア」を開催する事が出来ました。
「アカデミア」の大切さを知っているベテラン職員が積極的に参加し、楽しさを知っている子ども達が率先して参加し、個々の思いや情熱が「よきパン種」となり、小さな力をまとめて大きな力となり、星美ホームの歴史を継承する事が出来た貴重な時間でした。喜びと一致の中で、正に星美ホームの「アカデミア」復活となりました。星美ホームの「よきパン種」が、更なる発展の力となれるよう願っています!
ウニオーネ短大
小さな種でも
2023年夏、山中霊性センターでは「青少年・青年の集い」が開催され、私は食事のお手伝いに行きました。
その二日目、参加者たちと散策がてらVIDES山中山荘を訪問した帰り道。道路の傍に蛇苺の実を見つけたシスターが、「蛇苺チンキを作ると1年間薬いらず」と蛇苺を摘み始めたので収穫をお手伝い。採り終えた時には散歩の列からだいぶ遅れをとった私たち4人は、ポツポツと雨が降り始めたので足早に歩き始めましたが、雨はたちまち土砂降りに・・・。途方に暮れていた時、後ろから来た地元の車が急停車し運転していた女性が「早く乗りなさい。」と、私たちをセンターへ。座席が濡れることを気になさらず、加えて玄関先まで車を付けてくださったのです。玄関のドアを開けると、入れ替わってタオルの山を抱えたシスター方が各自の車に飛び乗って出かけて行きました。先行していた散歩グループの数人が、雨宿りして待つグループの場所をセンターのシスター方に知らせようと、土砂降りのなか走ったのでした。
この出来事を通じ、「良きパン種になる」とは、他者の気持ちを考えて、たとえ自分の犠牲が伴ってもそれを惜しまず、手を差し伸べることなのではと感じました。
|
ストレンナ 2024
夢を いだきましょう!
夢がなければ人生には意味がありません。人間にとって、つまり私たち全員にとって、夢を見ることは自分自身の理想や人生の価値を心の中に映し出すことを意味しています。現在若者たちがかかえている、色々な形の貧困状態が彼らの成長を妨げています。若者たちは夢を見ることによって、それまでは夢を奪われていたことに気づけるようになり、大人たちがでっち上げたむなしい夢を押し付けられることからも解放されるようになります。私たち一人ひとりが神の夢そのものなのです。何が私のものなのか、神が私にどのような夢をいだいているのかを知ることが重要です。そればかりではなく、私たちは、自分自身および私たちの兄弟姉妹の幸福に関わる夢を発展させ、達成するよう務めなければなりません。
* * * * *
ストレンナとは、年の初めにサレジオ会総長より発信される、サレジオ家族の年間目標。
|
おめでとうございます!
2024年に誓願60周年・誓願50周年を迎えるシスター方
誓願50・60周年の大きな節目を迎えられたシスター皆様、おめでとうございます。シスター方の上に神様からの祝福が豊かに注がれますようにと、同窓生皆でお祈り致しましょう。
- 誓願60周年(1964年立願)
- Sr.大水 久美子 ルチア
- Sr.竹山 敏枝 カタリーナ
- Sr.永田 ミツ子 テレジア
- Sr.松田 麗子 マリア
- Sr.松本 美恵子 テレジア
- Sr.吉川 京子 テレジア
- Sr.吉田 登代子 マリア
- 誓願50周年(1974年立願)
- Sr.金子 君子 マリア ミカエラ
- Sr.永田 チエ子 マリア マグダレナ
- Sr.若松 悠紀子 フランチェスカ
- Sr.Layson Teresita
|
本部から ”追伸”
シスターにお会いして、お話をお聞きしたい、学生時代のようにおしゃべりしたい、と思っておられる方はいらっしゃることでしょう。ウニオーネ本部ではそんな集いができないものかと考え、実現に向けて準備をしております。詳細が決まりましたらホームページにてご案内いたしますので、お友達とお誘い合わせの上、ご参加ください。
|
編 集 後 記
表紙のUNIONEの文字を、ローマ本部発行のものと同じデザインにしました。unioneの言葉の意味そのままに、更に世界の兄弟姉妹と心をひとつにして歩んでいくことができますように。
|
|